Fusion360使って3Dモデリングは一応出来ますけども。
Blenderは初心者、という事でここは1つ。
タイトル通りBlender使って3Dプリンターで出力できるstlファイル作って実際に出してみました。
そもそもこの2つって用途が違うんですが…個人的な感触としてはBlenderの方が色々できて使いやすいかもなー、と思いましたかねぇ。
ただし最初に選ぶソフトとしてはおススメしない。
分かりやすさの面ではFusionの方が上な気がするんですよねぇ。
1.何故Blenderいじり始めたかというと
一応Fusion360で1/12のフィギュア作ったり小物作ったりは出来るんですが、確か2,3か月前にAutodeskの認証システムにトラブルがあって、一時的に入れなくなったことがあったんですよ。
その時にCADソフト以外のモデリングソフトも使ってみようかなー、と思ったんですよね。
Fusion360は2023年6月現在無料で使えますが昨今の状況とか鑑みるにそれも変わる可能性もあるかもしれないし、という事でガチで無料で使えるソフト1個位知っとこうかなぁ、と思ったわけです。
色々調べた結果、
1.将来的にも無料の可能性が高く古いバージョンは間違いなく無料(だろう)。
2.今現在積極的にバージョンアップされており、日本語でも情報が手に入れやすい。
3.ハードサーフェイスからスカルプトまで一通りのモデリング機能+αを備えている。
という点から
を学んでみよう、と思ったわけでございます。
ちなみにFusion360は3DCADソフトでBlenderは3Dモデリングソフト、という違いがあるのもありましたけども。
どっちの系統のソフト使ってもstlファイルエクスポートする機能があれば(大抵備えてると思いますが)3Dプリンターで出力は出来ますが、前者はより正確な寸法のモデリングが出来て、後者はより自由なモデリングが出来る、という特性があると思います…多分。
2.読んだ書籍色々
とりあえず3冊ほど読んだので順番にご紹介。
1.Blender 2.9 3DCG モデリング・マスター
長所
1.モデリングに特化しているため3Dプリンター出力用のデータ作成の教本として使いやすい。
2.分かりやすい。
3.スカルプトの操作方法にまで触れている数少ない本の内の1つ。
短所
1.モデリング以外の機能にはほとんど触れていない。
2.スカルプトは本当にさわりの部分の解説のみ
Blenderは色々機能がありますが、その中でも特にモデリングを重点的に解説してる本になります。
スカルプトまで解説してるのはこの本位だと思います。
バージョン2.9系の使用を前提とした本なのですが、3.4でも問題なく使えました。
全く知らない、という状態でも解説通りに手を動かしていけば最終的には簡単なものなら自分でモデリングできる位になるので良い本だと思いますよ。
ただスカルプトの部分は本当にさわりの部分だけしか触れてないので、それ目当てに買うのは危険かも。
モデリングの機能を一通りガッツリ知りたい、という人には良い本だと思います。
Blenderには3Dモデル動かしたりアニメーション作ったりといろんな機能もあるんですがそこにはほとんど触れられてないので、網羅的に知りたい、という場合は他の本が良いかもしれません。
全部読んだわけではないんですが、このシリーズも結構初心者向けにいいかも、と思いました。
kindleunlimitedに加入してると無料で読めるので、加入してる方は試しに読んでみてはいかがでしょうか。
2.Blenderで作るメカモデリング実践ガイド
長所
1.Blenderの解説書にはほとんどないメカニカル系のモデリングの教本。
2.600ページを超える凄まじい大ボリューム。
3.ガチのゾイド(版権もの)が作れる。
短所
1.ボリュームがありすぎて初心者だと二の足を踏みそう。
2.一部図面が全くない部品をモデリングするところがある。
上の本を読んだ次に読んだのがこちら。
私は基本的にメカニカルなもの作る事が多いんですが、Blenderの指南書ってキャラクターを作ろう、という本が多くてメカ系のモデリングメインにしてる本ってあんまりないんですよね…
その中にあってこれはガッツリメカ…というかゾイドのジェノサイダーをモデリングしよう、という本だったので非常に役に立ちました。
よく使うアドオンとかの説明もされてるので、そこら辺に触れられるのも良かったですね。
実際にモデリングするとこうなる。
ここまで作るのにかかった時間は60時間くらいでしたかね。
頭だけ3Dプリントしてみたりも。
試しに頭部のモデリングが終わった時点でstlファイルで出力してみたりしましたよ。
ただこれ、3Dプリンターで出力する事をメインにしているわけではないので、全身出すのは結構大変だと思います…というか初期設定いじらないとこのサイズにならないんですけども。
関節仕込んで全身出してみたいなぁ、とか。
ツールの解説等も分かりやすく、結構いい本だとは思うんですがとにかくボリュームが物凄いので最初にやるにはちときついかもしれません。
全部で640P、モデリングのページは500P位あるんですが後半部分は今まで解説されたところをはしょって書かれているため、実際のボリュームはページ数以上にあったりもします。
一部(足の部分とか)図面に写っていない所をモデリングする必要があるので、そこも欠点かもしれません。見える部分ではないですし、そこまで問題になる部分でもないんですが気になる人は気になるかも。
また例えば牙の部分とかは本に書いてある方法だとモデリングできなかった(バージョンが古いせいなのか他の設定のせいなのかは不明)ので、ある程度応用力も必要かも。
総じて1冊目としてはきついけど2冊目以降ならいい本、という感じでしょうか。
3.Blenderで作るキャラクターモデリング入門実践ガイド
長所
1.全身のキャラクターモデリングの手順が載ってる。
2.キャラクターの動かし方とかまで載ってるので、アバターとして使いたい人とかには多分良い本。
短所
1.あくまでも手順書、という感じで細かい部分は記載されていない所が結構ある。
2.モデリングに触れられているのは半分位
フィギュアとか作る事もあるしこっち方面もやっとこう、という事で買ってみました。
実際にモデリングしたのはこんな感じ。
本来は頭にネコミミ、服も豪華なんですがそこら辺をモデリングする事は多分ないだろう、という事でオミットしてます。
マテリアルの設定をするとこんな感じ。
本書ではテクスチャの貼り付けとかもやるんですがとりあえずマテリアルだけ設定してみました。
フィギュア…というかキャラクターのモデリングの仕方が一通り分かるので、手順書としては結構有用だと思います…が細かいやり方の部分とかが結構はしょられてる上、次の手順に行く前に前の手順のものがちょっと修正されていたりするところがあるので、ある程度Blenderに慣れてる人向けだと思いましたかねぇ。
仮にガチの初心者で作りたいものも特に決まっていない、という事であればモデリング・マスターすすめますかねぇ。
3.実際に作ってみた
学んだことを活かして作ってみた1/12用防具、軌状鉄甲。
無敵鉄甲みたいなの欲しいなぁ、と思ったのでBlenderでモデリングして作ってみましたよ。
ちなみにBlenderはデフォルト設定の単位が1mになってるので、3Dプリンター用のファイル作ろうとすると使いづらいんですよね。
なので設定を変更する必要があります。
起動時の画面からシーンプロパティを選択後、
1.長さをミリメーターに
2.単位の倍率を0.001に
変更した後に上のタブのファイル→デフォルト→スタートアップファイルを保存して設定の変更を保存しますよ。
これでmm単位を基準としてモデリングできるようになります。
3Dプリンター用のstlファイルで出力する場合はファイル→エクスポート→stlを選択で出力できますよ。
詳しい事は解説されてる方がたくさんいらっしゃると思うのでそちら参照。
4.実際に使ってみた感想
Blenderの方が細かい装飾とかやりやすいので、1/12用の小物作るならこっちの方が最終的には使いやすいのでは?と思ってはいるのですが…
Blenderの初期画面。
Blenderを起動するとこんな感じの画面になると思うんですが…本当に始めて触った人はこの立方体を動かす事が出来ないと思います。
それ位操作が分かりづらい。
このBlender、とにかく直観的に分かりづらい所が多いんですよねぇ…
カーソルの位置によって機能が変わるキーとかあります(例えばMキー。モデリングの最中はマージのショートカットキーとして使うがコレクション管理ではファイルの移動に使う)し、覚えるショートカットキーの数がとにかく多くて…
それ故に意図しないキー操作しちゃって変な事になる、なんてこともしばしば。
またFusion360だとファイルを閉じても履歴が保持されますが、Blenderは保持されない(バックアップファイルは出来るけど)ため修正がしづらい、というのも大きい違いとしてあると思います。
他にも定規機能がかなり使いづらく、計測がしづらい、という点も。
そしてstlファイル出力の基準が緩いのか、エラー吐いてても普通に出てきちゃうんですよね…
例えば面の貼り忘れとかがあってもstlファイルとして出力できます…それを埋めるようにプリントヘッドから穴まで垂直な面が出力すると勝手に生えてくるようになるのですが…
ある程度エラーがあっても出力された方がやりやすいといえばやりやすいですが厳密にやろうとするとかなり大変なんじゃなかろうか。
反面、便利なショートカットキーが多いので慣れると作業がスムーズにできる、という利点もあるんですよね。
またFusion360のフォームに近い感じでモデリングするんですが、それに比べるとかなり操作しやすく見やすいです。
細かい装飾ですとかスジボリとか入れるのはこっちの方が楽ですし…
またBlenderのアドオン機能としてCADのように寸法をきっちり図ったうえでソリッド化する、というものもあるので寸法が図りづらい、というのはある程度解消できることは出来るんですよね。
以上のことから考えると、初めて触るのであればFusion360、その次のソフトとしてBlender、という順序でやった方が楽しめるのでは、と思いましたね。
なので今から3Dプリンターやってみたい、という方にはモデリングソフトとしてFusion360の方をすすめますかね。
Fusionは初期設定のままでも3Dプリントできますし、なんとなくでもいじれると思いますし。
また基本が設計とかに使うCADソフトなのでstlファイルのエラーとかも出づらいですし。
慣れてきて興味がわいたらBlender、とかの方が敷居は低いと思うんですよねぇ…ソフト無料ですし。
とりあえずBlenderでCHARM作ったりもできるよ、という写真で〆。
勝手が違うんでかなり苦戦しましたが…こっちの方が表面いじったりはしやすいんですよねぇ。
これはちゃんとできたらまた取り上げると思います。
という訳で初心者?がBlender使って3Dプリンター出力してみた話でした。
誰かの何かの参考になれば幸いです。
勉強するにあたって読んだ本色々。
個人的におススメはモデリング・マスターですかね。
使ってる3Dプリンター。
かれこれ1年くらい使ってますが、出せるサイズと値段のバランスが良く、結構使いやすいです。
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